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「非資金損益項目の調整」というとても大切な作業です。
このことの意味がきちんと理解できなければ財務四表は分かったとはいえません。 キャッシュフロー計算書(間接法)の様式を見たときに触れておいた、「減価償却費が資金の調達項目となる」ことを理解する鍵になる作業です。
この作業では、私か新入社員のころ初めて資金運用表を作らされたときのことを思い出します。 利益の次に減価償却費が資金調達項目として出てくるのが不思議でその理由を聞いたところ「うーん、それは難しいんだ」という返事が返ってきたのを覚えています。
しかし、みなさんは心配いりません。 以下の説明を丁寧に読んでいけば自然と分かってきます。
まず、作業の手順を説明します。 当会計年度の減価償却実施額300千円を、上記の増分貸借対照表の左側と右側の両方に足します。
左側では車両運搬具に足します。 この結果車両運搬具の金額は1,500+300=1,800千円となります。
右側では新たに減価償却費という項目を設けてそこに300千円を記入します。 以上が「非資金損益項目の調整」という作業です。
減価償却を実施したという取引は、資金が動いていないにもかかわらず、費用を計上し、その分利益が減少したわけです。 それを戻す作業が「非資金損益項目の調整」です。

調整後の増分貸借対照表は次のようになります。 さて、この非資金損益項目調整後の増分貸借対照表をあらためて見てみましょう。
この表は、仮に減価償却をしなかったら利益と車両運搬具の数字はどうなっていたかを示しています。 もし、300千円の減価償却がなければ、車両運搬具は1,500+300=1,800千円増加していたはずです。
利益剰余金の増分つまり利益は230+300=530千円になっていたはずです。 資金の動きを把握するためには、いくらの設備投資をしたか、つまり、いくらの有形固定資産の取得があったかを示すことが必要ですが、車両運搬具の増加L800千円とすることで、正しい有形固定資産の取得額になります。
有形固定資産の取得額を総額で示すのに見合って、利益の方も、減価償却がなかったベースに戻して見ようというのが、「利益剰余金の増分(=利益)230+減価償却費300」という数字の持つ意味です。 利益+減価償却費の合計を「減価償却前利益」といいます。
文字通り、減価償却をする前の利益という意味です。 「減価償却前利益」を「現金ベースの利益」ということもあります。

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